SDV Insider - 2026年8月21日
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過去5年間の大半において、ソフトウェア定義車両を巡る議論の中心は機能的な実現能力でした。車両を更新できるのか、更新はスタックのどこまで深く及ぶのか、誰のアーキテクチャーが最初にそこへ到達するのか。その議論は今やほぼ決着しており、8月13日から20日にかけて届いたニュースは、それに代わる論点を示しています。システムに何ができるかを扱う記事はほとんどありません。ほぼすべてが、その稼働を誰が認めたかを扱っています。
Momenta、XHEART、そしてBlackBerryのQNX部門は、共同で認証を取得した自動運転スタックを発表しました。ネバダ州の運輸規制当局は、3事業者に対する商用ロボタクシーの許可を一度に承認しました。カリフォルニア州の公益事業委員会は、18郡にわたる無人運転の有償乗車サービスをWaymoに認めました。Volkswagen Group Chinaは、CARIADの現地コンピテンスセンターを通じて、内製の運転支援製品を投入しました。大陸も企業も異なりますが、構図は同じです。いずれも技術的な作業はすでに完了しており、ニュースになったのは、誰かが承認したという事実でした。
これは2年前とは明確に異なる市場です。実現能力が希少だった時代には、製品を構築できるチームが勝者でした。実現能力が豊富になり、許可が希少になると、認証機関、州の規制当局、型式認可当局、顧客の法務部門に対して、その製品の適合性を立証できるチームが勝者になります。これはエンジニアリングではなくエビデンスの問題であり、デモではなく、計測・記録の仕組みとトレーサビリティーによって勝負が決まります。
今週のシグナル:ソフトウェア定義車両の決定的な制約は、スタックに何ができるかから、誰がそれを認可するかへ移りました。エビデンスを生み出すために組織された企業と、機能を生み出すために組織された企業との差が、まもなく鮮明になるでしょう。
🚀 トップニュース
Momenta、XHEART、QNX、輸出市場向けに認証取得済み自動運転スタックを提供
8月19日、Momenta、半導体設計企業XHEART、BlackBerryのQNX部門は、量産向け自動運転プラットフォームを共同発表しました。Momentaがフルスタックの自動運転アルゴリズムを、XHEARTが車載グレードのシステムオンチップX7を、QNXがSDP 8.0を基盤とする安全対応オペレーティングシステムを提供します。この3層は単一の統合製品として販売され、世界の主要自動車メーカーが利用できます。
ニュースの核心は技術構成ではありません。認証です。この統合ソリューションは、機能安全の最高水準であるTÜV RheinlandのISO 26262 ASIL D認証を取得しています。各社はさらに、運転制御支援システムに関するUN R171に基づく欧州を含め、規制市場への参入要件を満たすとしています。MomentaのシニアバイスプレジデントSun Huan氏は、安全性をフィジカルAIの国際展開における前提条件と位置付け、このパッケージを、自動車メーカーが規制リスクを抑えて輸出プログラムに組み込めるものとして説明しました。QNXは、この取り組みが自動運転の基盤ソフトウェアにおける同社の地位を強化するとしています。
18カ月前の中国の自動運転業界と比べると、変化は鮮明です。国内競争で争われていたのは、機能追加の速さ、市街地ナビゲーションの対応範囲、そして価格でした。今回の提案はまったく異なり、明確に海外を向いています。欧州と中東は、先進運転支援に関する機能安全とサイバーセキュリティーの要件を厳格化してきました。その結果、基盤ソフトウェア、半導体、アルゴリズムの統合は、最適化の選択肢ではなく量産の前提条件になっています。必要書類がすでに整ったスタックは、OEMの海外プログラム計画から、単一項目として最も高額な負担を取り除きます。
当編集部の見解:サプライヤーの発表に見えるこのニュースは、実際にはコンプライアンスの製品化を意味しています。過去10年、西側の調達部門では、中国の自動運転ソフトウェアは開発が速く安価である一方、中国以外では規制上採用できないと考えられていたため、リスク判断はおのずと決まっていました。TÜV RheinlandのASIL D認証と、明示されたR171適合への道筋は、1回の発表でその前提の半分を崩します。残る障壁はエンジニアリングの品質ではなく、データガバナンスと所有・支配関係です。これは技術的ではなく政治的な変数であり、5年先を見据えた調達戦略を策定する企業にとって、予測ははるかに難しくなります。2つ目の含意は、プラットフォーム層にとってさらに重要です。アルゴリズム、半導体、オペレーティングシステムが一体で認証されると、認証範囲が製品範囲となり、その外側にあるものは別途適合性を立証しなければなりません。更新管理、診断、データ収集、フリート運用はいずれも範囲外にあるため、それらの層を担う企業は、追加しても基盤部分の認証が無効にならないことを示す必要があります。求められるのは機能一覧ではなく、エビデンスを提示する責任です。どの車両で、いつ、どのソフトウェアが動作していたかを正確に示すキャンペーン単位の記録を作成できるベンダーは、その要求にはるかに容易に応えられるでしょう。
⚙️ 業界動向
ネバダ州、1郡で3事業者による最大8,000台のロボタクシーを認可
完全電動のOjaiに搭載されたWaymoの第6世代Driver。Waymoはネバダ州の3件の許可のうち1件を保有しています。出典:Waymo。
ネバダ州運輸局は8月20日、ラスベガスを擁するクラーク郡でTesla、Uber、Waymoが商用ロボタクシーサービスを運営するための3件の許可を全会一致で承認しました。許可対象は今後12カ月で合計最大8,000台で、Teslaが5,000台、Waymoが1,000台、Uberが1,000台です。UberはHyundai傘下のMotionalおよびZooxとの提携を通じて運営します。Zooxは別途、100台を対象とする自動運転車ネットワーク事業者の許可を保有しています。各事業者が実際にその台数を投入するかは別問題であり、Livery Operators Associationと地元タクシー会社の代表者は、拙速だとして承認に反対しました。認可台数の半分でも、クラーク郡は米国で最もロボタクシー競争が集中する地域となり、フリート運用ソフトウェアが試験運用規模ではなく、複数事業者による本格的な規模で負荷試験を受ける最初の場所になります。
Waymo、カリフォルニア州18郡で無人運転の有償乗車サービスを承認される
承認対象の18郡の1つ、サンフランシスコで乗客にサービスを提供するWaymo車両。出典:Waymo。
カリフォルニア州公益事業委員会は8月14日、Waymoの改訂版乗客安全計画を承認しました。これにより同社は、有償の無人運転サービスをサンフランシスコ・ベイエリア全域とロサンゼルスに拡大し、新市場としてサクラメントとサンディエゴに参入できるようになります。対象はソノマからサンディエゴまでの18郡です。Waymoは、安全性の枠組みに基づき段階的に展開するとしています。今回の承認は、1月に提出され、追加審査のため保留されていたAdvice Letter No. 4に基づくものです。5月には、保護者の同伴がない未成年者と、サービス中断時の乗客対応手順に関する補足書類が提出されました。注目すべきは規制の非対称性です。WaymoとZooxは、安全報告とデータ透明性の義務を伴う自動運転車の許可に基づき四半期ごとに報告する一方、Teslaはベイエリアのサービスを貸切旅客運送事業者の許可で運営しています。これはリムジン会社と同じ区分であり、そうした要件は課されません。
Volkswagen Group China、自社開発の運転支援を投入
CARIADは、Volkswagen Group Chinaが、インテリジェント運転のコンピテンスセンターであるCARIZONを通じて、初の内製による全シナリオ対応運転支援製品を投入したと発表しました。HS8、またはHyper Sense 8と呼ばれるこのシステムは、中国のドライバーが直面する道路状況や交通パターンに特化して調整された、ワンステップのエンドツーエンドL2++ソリューションです。ソフトウェア部門が業界の反面教師となったグループにとって、現地チームが量産向けADASスタックを出荷したことは、まさに重要な節目です。また、中国向けに西側OEMが行き着いた組織構造上の答えも裏付けています。現地のスタックを購入するのでも、ドイツのスタックを輸出するのでもなく、独自のリリース権限を持つ現地ソフトウェア組織を設けるという答えです。未解決なのは、その接合部で何が起きるかです。世界共通で開発されたプラットフォーム上で現地開発の運転支援を動かす車両は、2つの更新パイプライン、2つの検証体制、2組の型式認可エビデンスを整合させなければなりません。
ソフトウェア定義車両が何年持つのか、誰にも分からない
CNBCは8月15日、業界が避けてきた問いを投げかけました。ソフトウェア定義車両は古くなるとどうなるのか、という問いです。Mobility Globalによれば、米国の車両の平均車齢は現在12.8年で、米国の消費者はこれまで以上に長く車を保有しています。一方、スマートフォンやノートパソコンのサポート期間は、その何分の一かにすぎません。記事に登場するアナリストは、ソフトウェアへの依存度が高い車両が、自動車ではなく家電のように老朽化することを懸念しています。独自プラットフォームの整備には、専門的な技能、ツール、データへのアクセスが必要になるためです。米国の各州では修理する権利に関する法制化が広がっており、技術上の問題が法的な問題へと変わりつつあります。これは使用期間中のデータを巡る議論の地味な側面ですが、今後10年の保証、残存価値、規制リスクが実際に左右されるのはここです。車両の更新をいつまで続けるか明示できないOEMは、そのコストを織り込まないまま暗黙の約束をしていることになります。
SiEngine、7nm車載AIアクセラレーターを本格量産へ
SiEngineは、自社開発の車載グレード7nm AIアクセラレーターTiangong 100、別名NNA100が本格量産に入り、OEMおよびTier 1パートナーへの大量出荷を開始したと発表しました。同じ時期には、BYDの運転支援搭載車両が352万台を超えたことも報じられました。この2つの数字は併せて見るべきです。国産半導体が量産に到達し、国内の単一OEMが350万台規模の運転支援搭載車両を展開しているという事実は、主流の運転支援向け演算基盤を輸入に依存しないサプライチェーンと、学習に十分な規模のデータ収集基盤を示しています。中国の演算基盤を巡る論点は、いつの間にか入手可能性から歩留まりとコストへ移っています。
💼 企業動向と提携
UISEEとComfortDelGro Bus、自動運転バス導入に関する合意を締結
UISEEとシンガポールを拠点とするComfortDelGro Busは、自動運転バスの技術検証、商用導入、エコシステム統合を対象とする覚書を締結しました。拡張可能かつ他の場所でも再現できる運行の実現を目標に掲げています。公共交通は、認識面では自動運転にとって最も要求が低い一方、運用面では最も厳しい環境です。固定ルートへの対応は容易でも、サービスレベル契約、稼働率の義務、車庫の物流管理は容易ではないからです。この分野の覚書は収益につながる割合が低いため、導入実績ではなく、意向を示すシグナルとして捉えるべきです。
ChanganとHonor、共同イノベーション研究所を開設
Changan AutomobileとスマートフォンメーカーHonorは、共同イノベーション・オープンラボを開設し、2023年の共同開発チーム設立にさかのぼる提携を強化しました。Changanは、Tianshu Intelligent Test Centerを活用し、Honorの共同認証権限を付与された初の自動車メーカーとなりました。両社は機能を個別に適合させるのではなく、開発、試験、認証を共有する一連の体制を構築しています。新型Deepal S05はHonor Smart Connect 3.0を初めて搭載し、この技術は現在Changanの21車種に搭載されています。Changanは8月11日に深圳で、AI、コンピューティング、デジタルインフラに関する幅広い枠組み合意をHuaweiと締結しました。2週間足らずの間に2社目の消費者向け電子機器企業との関係を深めたことは、中国OEMのリスク分散の方法を物語っています。単一の提携ではなく複数の提携を組み合わせ、コックピットを競争の舞台としているのです。
📊 市場とレポート
自動車サイバーセキュリティー市場、2033年に188億6,000万ドルへ:新予測
MarketsandMarketsは8月17日、世界の自動車サイバーセキュリティー市場が2026年の68億8,000万ドルから2033年には188億6,000万ドルへ、年平均15.5%で成長するとの予測を発表しました。提供形態別では、ソフトウェアが最も急成長する分野とされています。数字そのものより有用なのは、その背景にある論理です。アナリストは成長要因としてアーキテクチャーの集約を挙げています。機能がドメインコントローラーやゾーンコントローラーに集約されるにつれ、重要なソフトウェアと演算処理が集中し、1件の侵害による影響範囲もそれに応じて拡大します。また、提供企業が、安全な無線更新の枠組みとともにAI駆動の脅威監視を提供する傾向が強まっていると指摘しています。更新の完全性と異常検知を、2つではなく1つの製品として扱っているのです。ベンダーに近い立場からの市場規模推計には、いつもどおり割り引いて見る姿勢が必要です。自動車サイバーセキュリティーと一般的な製品セキュリティーの境界は、推計を発表する調査会社ごとに異なるためです。ただし、その方向性には異論を唱えにくく、あと3週間に迫った9月11日のEUサイバーレジリエンス法の報告義務適用開始とも整合しています。
👋 今週のまとめ
注目点は2つです。HondaとNissanは、共通の車載オペレーティングシステムに関する正式合意を8月末までに締結することを目指していました。残り約1週間で、その文書が公表されるか、先送りされるかが決まります。次号までには、具体的なガバナンスモデルが示されるのか、単なる意向表明にとどまるのかが分かるはずです。また、EUサイバーレジリエンス法の報告義務は9月11日に始まります。実際に悪用されている脆弱性について、ENISAのSingle Reporting Platformを通じ、24時間以内の早期警告と72時間以内の正式通知が求められます。見落とされがちな適用除外に注意してください。既存の自動車関連制度に基づいて型式認可を受けた車両はCRAの対象外ですが、その周辺のコネクテッド製品、例えば診断ツール、充電機器、後付けテレマティクス、バックエンドプラットフォームは、通常は対象外ではありません。自社の各製品がその境界のどちら側にあるかを判断する作業は、残り3週間で対応すべき課題ですが、本来は6月に着手しているべきでした。
- SDV Insider編集部 🚗💨



